セロトニン運搬遺伝子

『セロトニン運搬遺伝子』とは、神経伝達物質である「セロトニン」の伝達に関係する遺伝子で、脳内でセロトニンを運搬し、セロトニンレベルを保つ働きをしています。
「運び手」という意味を持つ単語から『セロトニントランスポーター遺伝子』と呼ばれることも。

この『セロトニン運搬遺伝子』には、「SS型」「SL型」「LL型」の3種類が存在しています。

このうち「SS型」はセロトニンの伝達能力があまり高くないと言われているのですが、日本人の場合、なんと全体の7割近く、68%もの人がこの「SS型」の保有者なのだとか。
また、残りの32%のうち、2%がセロトニン伝達能力の高い「LL型」、30%が中間の「SL型」とのことなのですが、「LL型」が2%というのは世界で最も少ない比率となっています。2009年に発表された研究では、この『セロトニン運搬遺伝子』の型の違いが、人の「性格」を左右するのではないか、という仮説が立てられました。

簡単に説明すると、白人では「LL型」「SL型」「SS型」の順で不安を感じやすく、アジア人はその逆で、「SS型」「SL型」「LL型」の順に不安になりやすいのだそう。

ですが、その後の研究の見直しで「SS型」は「不安を感じやすい型」「悲観的な型」というわけではなく、単に「外界の影響を受けやすい型」にすぎない、ということが確認されました。

「SS型」の人は悲しい経験をすれば悲観的になるし、楽しい経験をすればより幸福を感じられる、逆境には弱いけれど、良いことが起こればそこから大きな喜びを得られるタイプなのです。

「性格」というのは、遺伝子によって決まるのではなく、環境によって変化するもの、変化させることができるもの、と考えるのが良さそうですね。